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【Part 2】これまでの日本と日本の未来創造

 今回は安宅和人さんの「シン・ニホン」から得た知識、Part2です!

 

Part1はこちらからどうぞ。

nickbook.hatenablog.com

 

ここでは、空白の30年とも言われる平成時代の日本と、そんな日本が輝く未来を創造できるのかについてまとめます。

 

「空白の30年」とか「失われた30年」とか聞いたことあるよ!

なにが問題で伸びなかったのか、これからどうすれば良いのかを学んで行くかのう。

 

※今回の記事はとても長いためまとめから載せています

目次

 

まとめ

・今の日本は産業の全分野で完全に他国から遅れている。
日本は伸びしろがある(使えていない力がある)
・研究面でも特に計算機科学では圧倒的に劣っている。
・日本は男女不平等の「恥ずかしい国」
・日本にも希望はある。
・日本が明るい未来を創造するためには妄想力を生かし、ゲームチェンジする必要がある。

 

 おいてけぼりにされた日本

30年前と現在の比較

30年前

世界の企業ランキングの上位には多数の日本企業がランクイン。

 

1人あたりのGDPは世界第4位で主要国G7の中ではトップ

 

現在

世界の企業ランキングでは日本トップのトヨタでさえ、アメリカはおろか、中国韓国その他の国にも太刀打ちできていない。

 

1人あたりのGDPは世界30位前後でG7の中では6位。

 

日本は30年でこんなに経済が悪化したの!?

いや、日本経済が悪化したというより、他の国が伸びている中で日本だけ伸びていないんじゃよ。

 

日本が伸びていない理由

 現在の日本には、何か刷新させるような企業がない

 

つまり、Part1での[これまでの企業価値]としては非常に優れていたが、[これからの企業価値]で、他国に圧倒的に差をつけられてしまった。

 

ここ30年間は情報通信系が伸びたよね。
日本はそこに乗り遅れたってよく聞くよ。

うむ。実を言うと、日本国内のICTは伸びているんじゃよ。

 

日本の産業はICTで差をつけられた?

 一般的には、日本は情報通信技術産業(ICT)に乗り遅れたと考えられている。

 

しかし、実際にはICT分野のGDPに占める割合は他国とほとんど変わりがない

 

例えば、アメリカと比較すると、アメリカのGDPのうちICTが支えている割合と日本のGDPのうちICTが支えている割合はほぼ同じである。

 

じゃあ、なんで日本は伸びていないの?

他の分野が全て停滞しているんじゃ。

 

日本の産業で伸びていない分野

 結果的にいうと、日本の産業は全分野で停滞している

 

特に、他国と比較したときに圧倒的に劣っているのは農林水産業である。

 

日本は食料自給率がとても低いって学校で習った!

貿易がストップしたときに生きていけるのか不安になるレベルじゃな。

 

日本は伸びしろだらけ

 ポジティブに捉えると、日本は全分野でやるべきことをやっていないから遅れを取っただけであり、やるべきことをやれば、また輝かしい経済成績を打ち立てることができる

 

日本が使えていない3つの力

1.若い才能

  日本は若い才能の3割を使えていない。

 

才能 = 生まれ持ったもの × 経験

 

であり、経験を積ませない限り才能は発揮されない。

 

これには、最低賃金の低さと教育の不十分さが関係している。

 

具体的な改善策としては、

・G7の中で6位となっている最低賃金を時間をかけてトップの水準まで引き上げる

・周囲の環境に恵まれない子供を高等教育までサポートする

 

若い才能の3割を解き放つことで、日本は良い方向に向かう。

 

2.女性の能力

  日本は世界と比較しても男女平等が全く実現できていない「恥ずかしい国である。

 

女性が活躍できない理由がいくつかある

男性の育児,家事の時間が世界的に見て圧倒的に低い。(1日平均40分)

参考にどうぞ!

「共同参画」2018年5月号 | 内閣府男女共同参画局

女性リーダーが圧倒的に少ない。

→原因はリーダーを多数輩出している主要大学の男女比にある。(東大の女性比率は20%にすら届いていない)

 

具体的な対策としては

男性の育児,家事の時間を増やし、その分女性の労働時間を増やす。

・主要大学が男女比率5:5を目指せるような試験制度にする。

 

 女性が労働力として力を十分発揮できれば、日本の経済力は上向きになる。

 

3.高齢者の力

 日本は世界的な長寿大国でありながら、労働に関しては定年の65歳で能力のある人もない人も刈り取られる。

 

今後、日本が発展していくためには定年の概念をなくし能力のある高齢者や働きたい高齢者は働き続けることが大切

 

まとめ

若者の才能、女性の力、高齢者の力
この3つをうまく解き放つことが日本経済の発展につながる。

 

なんか難しいけど、僕も今努力して、大人になったら奥さんの家事も手伝って、働きたいと思っている限り働くよ!

制度を変えることはもちろん大切じゃが、一人一人ができることをしていくことも大切じゃな。

 

衰退した日本の研究力

論文数

 2003年時点での日本の論文発表数は世界有数であり、中国にも勝っていた。

 

しかし、2019年、中国には圧倒的な差をつけられ、さらにはインドにも追い抜かれた。

 

原因は現在重要視されている計算機科学にある。

 

物理学の論文数では東京大学はトップ10入りをしており、他分野も日本は10〜30位前後である。

 

しかし、計算機科学分野では東京大学は135位、次ぐ東北大学は180位とかなり劣っている。

 

これは、計算機科学分野の研究者数の少なさに起因している。

 

計算機科学だけ100位以内にすら入れてないんだね!

日本は計算機科学の研究にもっと力を入れるべきじゃな。

 

大学ランキング

 日本トップの東京大学は15年前まで、ハーバード大学やオックスブリッジ大学、マサチューセッツ工科大学と名だたる大学に次ぐ大学であった。(2004年時点ではアジアトップで世界12位)

 

しかし、現在、東大は世界42位となっている。

 

深層学習分野

 Part1にもある、AIの進化技術の深層学習分野では中国がトップで次いでアメリカ、その後大きく離され、他の主要国の中に日本も混じっている

 

日本はなんで深層学習、データ×AIでこんなに遅れをとったの?

その原因は「シン・ニホン」の中で安宅和人氏が自信を持って述べているんじゃよ。

 

日本のデータ×AI

データ×AIの発展に欠かせない3つの要素

・膨大なデータ(利用できるビッグデータ)
・データ処理力
・データを扱えるスペシャリスト

 

日本がデータ×AIで遅れた理由

 上記の3つの要素、日本はこれら全てが欠けている

 

1.ビッグデータ

 現在、データを入手する最大の場所はスマホ上である。

 

しかし、日本は世界シェア率の高いスマホ関連事業を持たないため、収集力がない。

 

 今後、日本に期待されているのは、車の自動運転機能

 

しかし、日本の道路は狭く、日本での普及には壁がある

 

 ドローンを飛ばすにしてもビルと平家が隣同士であったりするため、難しい。

 

 日本は刷新された技術を取り入れる準備ができていない。

 

そのため、自動運転やドローンが普及してもデータの収集は難しい

 

2.データ処理力

 データを処理するにはコンピュータが必要であり、そのコンピュータを動かすには電力が必要

 

日本はアメリカや中国に比べて、電力コストが圧倒的に高く、膨大なデータを日本で処理するより、中国で処理する方が圧倒的に良いという結果になる。

 

3.データを扱うスペシャリスト

 日本は理系素養のある人材が少ない。

 

大半の大学卒が文系であるため、数字に弱すぎる。(普通に指数で指数を割ったりする)

 

これは大学の文系科目、文系卒が悪いわけではなく高校で文系選択をした途端、数学に触れなくなることに問題がある

 

 また、データのスペシャリストを生むデータサイエンスの分野も全く発達していない

 

さらには、必要を感じた大人が学ぶ場所がなく学び方もわからないというところにも問題がある。

 

じゃあ、もうデータ×AIの分野諦めて他を圧倒的に伸ばせば!?

それでは意味がないんじゃよ。

 

事業の成長に重要な4つの要因

事業の成長には
・戦略
・実行力
・リーダー
・市場
の4つが重要だと言われているが、実際は市場で7割決まる。

 

つまり、良いリーダーが良い戦略を立ててすぐに実行しても、ニーズがない分野であれば全く伸びないということ。

 

じゃあ、データ×AIからは逃げられないんだね…。
日本はもう終わりだ…。

日本にも希望はあるんじゃよ。

 

希望

日本の過去から学ぶ

新しい技術の発展には段階がある。

①新しい技術が生まれ、周知される
②技術の応用化
③技術と産業が結びつく

 

これは、高度経済成長でも同じだった。

(実例)
高度経済成長では

①蒸気機関をはじめとする様々な新技術が出現(1750年頃〜)

②技術を応用して車や洗濯機などの家電が誕生(1900年頃〜)

③航空機の飛行技術やインターネットのように産業を大きく変えるシステムを構築(1960年頃〜)

 

ここで見てみると、

①の頃日本は江戸時代で鎖国をしており、圧倒的に遅れている

②日本は明治時代でこの辺から世界の流れに参加し始めた

世界のトップレベルに立った

 

したがって、高度経済成長でも日本は遅れをとっていた。

 

しかし、②と③で取り戻し、世界を牽引している。

 

現在、データ×AIは①が終わろうとしている

 

そのため、日本は②,③から参加して逆転することが可能である。

 

世界に誇れる技術

 計算機を生んだり、生命工学分野でもiPS細胞、その他にも多くの世界に誇れる技術がある

 

ポテンシャルは高いため、まだ日本は戦える。

 

希望が見えてきた!
でも、実際にどうすれば日本が復活できるの?

鍵は日本の妄想力と圧倒的なスピード、ゲームチェンジじゃな。

 

日本復活へ

日本の妄想力

 未来を作るには技術と妄想力が重要という話の通り、ゴールをイメージする妄想力が必要になる。

 

日本は子供の頃から「ドラえもん」や「鉄腕アトム」など妄想の英才教育を受けている。

 

妄想力では他の国には負けない強さを持っている。

 

現在、想定されているsociety5.0はまさにこの妄想力の集結といえる。


Youtube はじめてのロボット教室より 

 

じゃあ、あとは実現させる技術に焦点を当てれば未来を創造できるんだね!

そういうことじゃ。

 

圧倒的なスピード

 日本は昔から他のものを取り込み、それを利用し、発達させるスピードがものすごく早い。

 

例えば、歴史を振り返ると、仏教は日本で生まれたものではないが、日本に来てから大きな発展を遂げ、世界でも有数の仏教大国となった

 

日本のゲームチェンジ力

 日本は世界の最先端を取り入れ、それに欠けてるものを補ったり、さらにそれを超えたものを創ることが得意である。

 

(例)
 第二次世界大戦後まで、カメラや工学技術といえばドイツのカールツァイスだった。 

しかし、高価で複雑な構造だった。

 日本はそのカールツァイス製のカメラの互換機を作っているときに、もっと安価でシンプルなものを作ろうと決め、一眼レフカメラの製造を開始。

 さらには、高画質でシンプル、安価なためメンテナンスもしやすく、1971年には日本製のニコンFがアポロ15号に搭載された。

 

すごいね…!!

他にも時計、車、オーディオなど多くの分野でゲームチェンジをしているんじゃよ。

 

日本が世界の未来を創造するには?

 刷新力ともいえるゲームチェンジ力、新たなものを生み出すのに必須な妄想力に加え、実現する技術をいかに発揮できるかが重要。

 

 

今回はここまでとなります!

 

ここまでご覧いただきありがとうございました。

 

Part3はこちら!